名古屋市港区・信興寺副住職です。今回も仏具の使い方や間違えやすい仏具の置き方についてお話しいたします。
第3回目の今回は「香炉」です。
1回目の鶴亀はこちら→https://shinkouji-nagoya.com/【真宗大谷派】仏具の使い方%E3%80%80その1/
2回目の花瓶はこちら→https://shinkouji-nagoya.com/【真宗大谷派】仏具の使い方%E3%80%80その2/
香炉とは?
①土香炉(どごうろ)
香炉とはお線香を焚いたり、お焼香をするために使うものです。真宗大谷派では主に3種類が使用されます。一般のご家庭でも使うことが圧倒的に多いのが土香炉(どごうろ)です。緑と青のちょうど真ん中くらいの色をしており、網網に装飾されていることが多い香炉です。
この土香炉ですが意外にも向きがあります。基本的には3つ足なので、写真のように足が正面に来るように配置します。
よく私がお参りをさせていただくと、下の写真のように向きが間違っているものがあります。この置き方は間違いですのでお心当たりがあれば、ご注意くださいね。
また最近ではお洒落な土香炉が出てきていますが、3本足で立っていたり、3箇所窪んでいるような場合のものも存在します。そういった土香炉も1枚目の写真のようにおいてください。足がないものは気にしなくて良いです。
お線香の焚き方
真宗大谷派ではお線香を寝かせて焚きます。他宗では立ててあげるところもありますが、真宗大谷派では1本のお線香を香炉のサイズに合わせて折り、寝かせます。このとき火がついた方を左側にする決まりもあります。あとたまにおられるのですが、ローソクに火を灯した後、擦ったマッチの殻を香炉に突き立てる方がいらっしゃいます。これは絶対にやってはいけない作法ですので、必ずマッチ入れなどを用意しておいてください。ローソクの火をライターでつけるのは問題ありません。
②火舎香炉(かしゃごうろ)と金香炉(きんこうろ)
この二つは主に香炭をいれ、焼香を焚くものです。主に仏前で使用し、普段は上卓(うわじょく・お仏壇の上の小さい卓)に置きます。金香炉は四角い形をしており、彫りがあるものが多いです(ないものもあります)。火舎香炉は主に丸い形をしておりツルツルしているものが多く、土香炉のように三つ足ですので、置き方は土香炉と同じです。
ちなみに信興寺の本堂は御尊前にあるのが火舎香炉、祖師前(親鸞聖人の前)や御代前(蓮如上人の前)や余間飾りには金香炉を使っています。金香炉の写真を撮影するのを忘れたので、お寺の報恩講での写真を載せておきます。
廻し香炉
これはご自宅でご法事などを勤める際に皆様に焼香していただくときに使う香炉になります。香灰と香炭を入れるところと、抹香(まっこう・焼香のこと)を入れるところに分かれている便利グッズです。葬儀後、祭壇がご自宅に飾られると思うのですが、そこに必ず置かれています。なお、この廻し香炉はこの先も必要となりますので、満中陰(49日法要)が終わった後も必ずしまっておきましょう。
終わりに
このように仏具一つひとつには意味や向きなど、様々な決まりもあります。しかし現在は現代仏壇や家具調仏壇の普及により異なった形のものも登場してきています。この仏具で大丈夫なのかな?とか使い方がわからないんだけど・・・など疑問や質問は多くあると思います。名古屋市港区・名港線の港区役所駅、築地口駅、名古屋港駅をはじめ、その周囲で葬儀や法事・納骨などの仏事で困っている方、お寺や僧侶をお探しの方、仏壇等に関してお困りの点など、どうしたら良いかわからないことがある場合は、お気軽に信興寺へお問い合わせください。お電話でのご相談はもちろん、メールでのご相談も承っております。
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